大学入学共通テスト試作問題発表
2025年1月から実施される問題を、大学入試センターは11月9日公表した。
今年度の高校1年生から新しい学習指導要領が実施されたことを受けたもので、プログラミングなどを学ぶ新科目『情報Ⅰ』や科目構成が大きく変わる地理歴史、公民、国語、英語、数学の問題が示された。
試作問題では、学習場面を想定した会話文や複数の資料から読み解かせる出題が各科目で目立った。大学入試センターは、『思考力や判断力を問う』ことや『学習の過程を重視』といった方針に基づいて作問したと述べている。また担当者は、これらは『指導要領に基づく学習を重ねていけば対応できる出題』と強調している。
国語の試作問題では、生徒が気候変動を題材にしてリポートをまとめる設定で、資料として2つの文章と4つの図やグラフを示されており、これら的確に読み取れるかが大きなカギとなる。その上でリポートの構成内容をどう評価できるかが問われたものである。このようなことから、国語では論理的な展開を追った読み方ができるか、そしてそのために普段の学習において文章を要約する練習をしているのかなど、主体的な学習の必要性を感じるものとなった。
情報Ⅰの試作問題では、QRコードなどを題材に仕組みや知的財産権について考察させたり、買い物の際支払いに使う硬貨の枚数が少なくなるように計算するプログラムを考えさせたりした。これらにおいては、生徒に身近な情報技術や生活場面を想定した題材をそろえた良問が並んだと言える。中でもプログラミングの問題では、教科書に載っている基本知識を踏まえて、自分の手で試行錯誤しながらプログラミングした経験の有無が得点を左右するものだと見受けられた。また情報Ⅰと国語に関しては、25年度に限って浪人生向けに、「旧情報Ⅰ」の試験の実施、また国語では近代以降の文章を付け加えた問題が設定される。このため国語の試験時間は10分長くなり、配点も100点から110点となった。その分、古典は90点に減点される。
最後に、共通テストの時間割案も示された。これによると1日目に地理歴史、公民、国語、外国語、2日目に理科、数学、情報Ⅰの試験が実施されるとなっている。