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教員採用試験、日程前倒し検討へ

現在、各都道府県、政令指定都市ごとに行われる公立学校教員採用試験の一般的な日程は、7、8月に順次一次試験と二次試験を行い、9月、10月に合格発表、そして内定、採用となる。 これに対して、民間企業は6月1日が内々定解禁日となっており、公務員試験においても5月から6月頃の日程である。

ここ最近、長時間勤務や保護者対応、また生徒との関わりにおいて、学校の職場環境が問題視されており、いいイメージを多くの学生は持っていない。このようなことから民間企業の内々定や内定を得ると、志望者が教員を断念するケースが少なくないのが現状である。

22年度の採用の公立学校の倍率は、小学校で2.5倍と過去最低の数値となった。

このようなことを受けて、文部科学省は、能力ある教員の確保のため、教員採用試験の早期化について、都道府県教育委員会などと検討する協議会を新設するに至った。
現在早期の日程として、5月のゴールデンウィーク明けの日程を目指しているという。また協議会では早期採用試験の日程事案だけではなく、複数回の受験ができるよう、これについても検討するとしている。早ければ24年度実施から新日程となるとはしているが、多くの課題もあると思われる。

現職の私立高校のある先生は、教育実習との日程の絡みもあるので、場合によっては実習時期を考えなければならないという。

そもそも採用試験日程の早期化案は、「教師を諦めてしまう人を、再び教師志望に振り向けることが大事だ」としている。当然、優秀な人材を確保したいというのが根底にあるのだが、そもそも日程を変えたからと言って、優秀な人材が集まり応募するだろうか、と考えてもらいたい。何故、教員を志望しないのか。弊社早稲田個別にも大学院生の講師はいるが、教員にはならないと言う。せっかく教え心があり、教え方も上手だと評価できるが、やはり環境を考えると、というのが理由である。ではその環境とは何なのかと改めて問うと、拘束時間の長さや保護者の対応を口にする。拘束時間については、部活動は専門のコーチなどを迎え入れることにより対処でき、拘束時間の軽減を望めるが、保護者対応はどうしようもならない。確かに少子化が進み一人っ子が多い現在、子どもに注がれる愛情は一点に集中し、いわば「過保護」、また「子離れをしていない」といったことは否めない。当然そのような中からの学校へのリクエストは、無理難題なものがあったり明らかに『自己中心的』と思われるものもあったりする。

家庭でしつけること、家庭環境の充実といったことをまずは問い、そして整えさせることが優先事項ではないかと考える。そうすれば自ずと学校で働く魅力を感じる学生も多くなり、そのような中から優秀な人材を確保することができ、結果的には我が子に優秀な教育を受けさせることができる、といった『風が吹けば桶屋が儲かる』的な図式になるのではないかとついつい思ってしまう。

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