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人権侵害? “清風カット”

大阪府天王寺区にある私立清風高校で、「清風カット」と呼ばれる髪型を指定している校則を巡って、大阪弁護士会は23日、『校則自体は違法ではないが、教師が直接生徒の髪を触って検査をしたり、違反した場合において髪を切ったりするのは人権侵害にあたる』として同校と運営している学校法人に対して改善をするように勧告したと発表した。

私立清風高校は中高一貫教育も行う男子校で、建学の精神に仏教の教えを取り入れている。仏教の教えから「見るべきものが見え、聞くべき音が聞こえるように」と1970年頃から頭髪が、眉毛、襟足と耳にかからないようにと丸刈りに変わった。生徒手帳にも髪型の例が写真付きで説明されており、生徒らの間では「清風カット」と呼んでいる。これにおいて教師は月一回、頭髪の検査をしているとのことである。

このように大阪弁護士会が人権侵害による改善の勧告に至ったのは、昨年の4月に在校生徒や保護者数名から人権侵害からの救済が求められ、これにより聞き取りが行われた。また学校側への聞き取り調査も実施され事実関係の確認もされたからである。

そもそも生徒保護者からこのような人権の侵害に対して救済が求められたのは、「好きな髪型ができない」という校則に対しての違和感を強く感じたとのことで、これを後押ししたのは、昨年1月に福岡県弁護士会が福岡市立中学校不適切な校則の廃止や見直しを求める活動をしている都のニュースを知り、子どもの権利問題に詳しい弁護士に相談したことからであった。確かに受験前の説明会では充分な説明がなく、入学後通学してから疑問を感じるようになったという。

私立学校と言うことから、宗教の信仰の下においての教育は何ら問題はない。また学校は建学の精神に基づいて校則を定めることも自由ではある。しかし人権に関わることにおいては精査する必要は強く感じる。学校側は、「全て教育方針に賛同していただいた上での入学」ということを前提としているのであろうが、説明会で説明されていなければ、ある意味“詐欺”と言われても致し方がないと言える。

全ての学校でこういったことがないよう、切に願うばかりである。

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