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中高生が拡散するサイバー犯罪

人工知能、生成AIを悪用したプログラムで、「楽天モバイル」の通信回線が不正契約された事件は、記憶に新しいところである。中高生がSNSで簡単に違法情報に接触し、サイバー犯罪に関与している実態を浮き彫りにしたことで注目を浴びた。専門家は情報モラル教育に、加害防止の観点も必要であると唱えている。

今回のこの一連の捜査では、年齢も居住地も様々な少年らが、オンラインゲームやSNSでつながった3つのグループが確認されている。

滋賀県米原市の当時中学3年生らの中高生3人は、不正契約と契約を行うプログラムを開発。匿名性の高い通信アプリ「テレグラム」を通じて知り合った人物から、購入した他人のIDとパスワードを使って楽天の約2500回線を入手し、SNSで売却したとしている。

この手口を真似たのが、ネット上で中傷やサイバー攻撃を行う無職少年らだったのである。中高生にSNSで接触してプログラムの提供を受け、今度は楽天のIDを入手。同様に回線を売却したとみられる。

米原市の中学生らが売却した回線の一部は、SNS上で流通し東京都内の高校生らの別の少年グルーブによって、チャット詐欺に悪用されていた。

一連の事件を捜査した警視庁幹部は、SNSで結びついて犯罪を繰り返しており、もはや「トクリュウ(匿名流動型犯罪グループ)だ」と話している。

摘発された少年らは、独学でプログラミングや犯罪の知識を得ており、オンラインゲームやその連絡に使うSNS「ディスコード」を通じて関係を深めた。捜査関係者によると、ゲームの攻略法を披露しあう中で、犯罪手口の情報も交換されるようになったと推測できるとしている。3つのグループが回線の販売やチケット詐欺で違法に得た額は、合計2,000万円に上った。一部の中高生らが犯罪収益を暗号資産に交換し、オンラインカジノに投じていた事実も明らかになっている。

罪を犯した一部の中高生は、得た金銭の分け前を得ず、単に技術や知識を認めて欲しかったと話す者もいたという。

このような事件の背景には、学校に馴染めず不登校になっていた生徒がこういった犯罪に手を染める可能性があったり、先生や友達に恵まれずそういったフラストレーションから承認欲求が強くなったりして犯罪に加担してしまうケースも否めないと考えられる。サイバー犯罪は低年齢化していることを勘案すると、学校での端末の利用の仕方の授業をより一層充実したものにしなければならない役割はよ否めないであろう。

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