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英語の『話す』力は、12.4%に留まる

今年、約190万人が受験した全国学力テストは、小学校6年生と中学3年生が対象として毎年4月に行われている。今年4月に行われた学力テストは、英語を使ったコミュニケーションを重視する中学校の学習指導要領が21年に改訂されてから初めてのテストとなり、ある意味この要領の改訂の成果を測るものであった。しかし7月31日に文部科学省が発表した結果は、「話す」技能の平均正答率が、わずか14.4%に留まったということである。つまり英語で表現する力が充分ではないという結果である。

英語の平均正答率を技能別で見てみると、「聞く」が58.9%、「読む」が51.7%と半分の正答率を超えている。しかし「書く」24.1%、そして「話す」が12.4%の正答率と半分を大きく割るに留まっている。「話す」は、英語で自分の考えや気持ちを伝え合う活動を重視する学習指導要領を踏まえて出題されており、全5問出題されている。その内、留学生による環境問題の発表を聞き、1分間で自分の意見とその理由を考え、30秒間の内に英語で答える問題では、わずか4.2%であったことも分かった。またこの「話す」の技能では、1問も解けなかった生徒が60%を超えていることもわかった。

このような結果に至ったのは、問題を見る限り場面設定が煩雑で、生徒がそれを的確に捉えることができなかったと考えられる。そして英語に限らず、聞き取ったことを的確に捉える力、そしてそれを考える力、さらに発言する力は国語においても、また社会においてもこれらの力が不足している傾向は見られ、最近の生徒の大きな特徴と考えている。

今回の結果を都道府県別で見てみると、東京都が1位となっており、神奈川県は愛知県と同率で2位になった。

最近の生徒は、自分で考えることを避ける傾向にあり、入試問題もそれを助長しているように感じている。マークシート方式がその例である。数学においては、一部分数の分母と分子をそれぞれマークするといった形で対応しているものの、社会科や理科は必ず答えを目にしての選択問題となっている。さらにAIの出現がこの状況を加速させるのではないかと、危惧する今日この頃である。

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