2024年社会科時事問題ワード
2024年の入学試験の時事問題では、日本のみならず世界で起きた様々な事件や事故、また出来事について出題されていくことは間違いない。ではどのようなことが試験のテーマになり、どんな言葉が問われるのか、これらに言及して述べていきたい。
まずはなぜ時事問題が出題されるのか。これは世の中の出来事に広く関心を寄せ、自分で考える力を見ることにある。つまり日本国内はもちろん、世界の社会状況にきちんと目が向けられているか、という力を見たいからである。これまでの多くは社会科の中の地理や歴史、公民といった分野で問われたが、最近では理科の地学分野や国語の文章題の題材においても見られる。全体的に幅広い視野を求める入試問題が増えていると言える。
では具体的にどんなテーマが取り上げられるのか。ここで3つほど紹介してみたいと思う。
1つ目は、人口の動向である。世界全体では人口が増え続け、世界人口白書2023によると初めて80億人を突破し80億4,500万人とされている。日本では令和4年に統計開始以来出生数が80万人を下回り、世界の人口動向とは逆のベクトルになっている。そして各国の人口ランキングは中国を抜いてインドが1位となったことも忘れてはならない。人口順位は、インド、中国、アメリカ、インドネシア、となっており、上位の国は覚えて起きたい。ちなみに日本は12位となっている。
2つ目は、ジェンダー平等日本125位となったことである。6月21日発表された調査報告書によると146か国中で、昨年の116位から大きく後退し、過去最低の順位となった。「経済」、「教育」、「医療へのアクセス」、「政治参加」の4つの分野で各国の男女間の格差を調べたところ、日本は政治参加の分野での格差が大きいことからこのような結果になった。ちなみに上位3か国は、アイスランド、ノルウェー、フィンランドとともに北欧地域となっている。
3つ目は、北陸新幹線敦賀駅まで延伸開業である。JR西日本は昨年8月30日、今年3月16日に敦賀まで延伸開業運行計画を発表した。これにより東京駅から敦賀駅までの所要時間は最短3時間8分と、50分の大幅短縮となる。北陸新幹線は1997年に東京と長野間が「長野新幹線」として部分開業し、2015年には高崎駅と金沢駅間が開通。東京駅と金沢駅が直通で結ばれるようになった。敦賀駅は福井県の中核都市であることをまずおさえ、福井県を中心とした北陸地方の産業や人口問題、また新幹線網といった交通問題が出題されることが考えられる。
この他、福島原発処理水海洋放出問題やG7広島サミット、関東大震災から100年、新型コロナ5類に移行などにも注目したいところである。
昨年も色々な事件や事故、政策等が見られたが、入学試験の多くは、夏休みに入学試験の作成を手がけ、9月から10月にかけて問題量や難度が調整され確定する。これらを踏まえて対策を講じたいところである。
いずれにせよ、普段から新聞に目を通し、テレビのニュース番組をどれだけ見たか。常日頃アンテナを広くして耳を傾けていたかが大切だと間違いなく言える。