全公立中に不登校専任配置
文部科学省は2025年度から、全公立中学校に不登校やいじめの対応に専任であたる「生徒指導担当教員」を配置する方針を固めた。不登校の中学生はこの10年で約2倍の19万人に増え、いじめの認知件数もコロナ禍後再び増加に転じていることから、文部科学省は中学校段階での体制を強化したいとしている。
生徒指導教員は、クラスの担任や教科指導、授業を行うことはせず、不登校の解消やいじめ防止に向けた業務を専任で行う。不登校生徒の対応では、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーらと生徒をつないで状況を把握し、担任や管理職と情報を共有するなどして、生活面や学習面などで必要な支援をするとしている。いじめについては、いじめが発生した際に加害者や被害者への聞き取りを行い、担任や管理職との調整を行い、校内アンケートを実施する等が想定される。
現在も不登校やいじめなどに対応する「生徒指導主事」が配置されているが、専任の教員を配置する学校は一部にとどまっている。文部科学省は専任の生徒指導教員を全中学校に配置することで教員の負担軽減を図り、働き方改革にもつなげたい意向がある。
中学校におけるいじめの認知件数も20年度の8万件から11万件へと急増している実態がある。
このような「生徒指導担当専任教諭」を配置して、いじめが皆無になったり、不登校生徒がいなくなったりするとはどうしても思えないところが強くある。これらは、全て起きてしまった時の対応によるもので、そもそも根幹となる、「どうしたらいじめがない学校生活をつくることができるのか」とか、また「どのようにしたら不登校生徒がいなくなるのか」といったことに言及もされていない。根幹となる、これらの対策を講じようとしていないように思えるのは私だけだろうか。