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定時制高校の廃止、存続

少子化に伴う神奈川県の高等学校再編計画が、現在滞ることなく進んでいる。『室長のつぶやき』でも記した高校の吸収や合併、近いところでは県立永谷高校と横浜桜陽高校がそうである。しかしこれだけでは収まらず、ここに来て定時制高校の存続が危ぶまれている。

港南中央教室近隣の定時制高校には、横浜市立の戸塚高校、県立の明朋高校、同じく県立の追浜高校、希望ヶ丘高校、磯子工業高校、横浜総合高校といった学校がある。定時制高校廃止の動き、その大きな理由は、平成27年度時点での夜間定時制課程の定員充足率は62%であったが、令和4年度は31%まで減少している事があげられる。入学者の実数で見てみると、平成27年度は1,063人であったが、令和4年度は427人まで減少した。

多くの夜間定時制課程では、2学級70人規模の定員枠で募集しているが、入学者が残念なことに10人に満たない学校が、令和4年度で5校にも及んだ。

こうした状況を踏まえて、夜間定時制課程の適正配置に向けて、募集を継続する学校、停止する学校を決定したと県教育委員会は言う。そして夜間定時制課程への進学を希望する生徒が、概ね1時間以内で通えることや、駅から比較的近く、交通利便性が高いことなどを基本に検討したとも言っている。

そのような中、横浜市神奈川区にある名門、県立翠嵐高校の定時制の廃止が策定されている。翠嵐高校は、外国にルーツを持ち日本語での授業に不安を抱えるなど、様々な背景を持つ生徒の支援態勢を長年かけて築いてきた実績がある。このようなことから、「地域の多文化共生モデル」として存続を求める声が多く寄せられているのである。しかし県教育委員会は、適正配置、つまり廃校の姿勢を崩してはいない。

このままでいくと、翠嵐高校を含む6校は、2020年度から募集を停止している川崎市立川崎高校に続いて、2025年度から募集を停止することになる。さらに県教育委員会は、この翠嵐高校廃止の代替えとして、今までの翠嵐高校の役割を近隣の神奈川工業高校に普通科を新設して行うとしている。

翠嵐高校は、教員はもとより地域ボランティアを含め色々な支援を受けて今日まで歩んで来た。支援は積み重ねが大事だと思われる中、一方的な理由で募集を停止し、そして廃校に至ることは、時代に逆行するのでは、という懸念をどうしても持たざるを得ないと考える。

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