公立小中学校耐震完了7割という現状
全国の公立小中学校のうち、壁や天井などの耐震対策が完了している学校は、7割に留まっていることが文部科学省の調べでわかった。
財政難などで対策が進んでいない自治体がほとんどで、都道府県によって耐震工事の耐震状況にばらつきがある。調査は今年4月1日時点の公立幼稚園、小中学校、特別支援学校などの耐震建物が対象としている。小中学校に注目してみると27,115校のうちひびのの入った壁や落下の恐れがある天井等に耐震対策を施していたのは71.0%の19,261校であった。2018年の調査では39.6%であったので、大きく飛躍していると言えるが、それでも3割の学校が未完のままである。しかも都道府県自治体によってばらつきが前述したようにあり、割合がもっとも高いのは大分県で、99.7%となっている。次いで島根県の99.3%、兵庫県の93.1%、北海道の92.8%、福井県の91.0%となっている。これに対して佐賀県は32.6%に留まって、都道府県別では最下位となった。ちなみに順次、愛媛県は39.0%、続いて宮崎県は39.7%、鳥取県は42.9%、奈良県は44.3%となっている。
このように自治体で差があるのは、先に述べたように財政的な要因が大きいが、どうも理由はそれだけではないようである。容易に想像がつくところではあるが、児童・生徒の減少により学校の統廃合を検討、これによって改修計画が立てられないという現状があるようだ。
文部科学省は上限を2億円とし、費用の3分の1を補助しており、担当者は国の財政支援を活用し、対策を進めて欲しいとしている。
最近では、三陸海岸沖や茨城県を震源とする震度4以上の地震が頻発している。また初めて後発地震注意情報も発せられていることからも、一刻も早く耐震対策を進め、児童生徒の高い安全を持って欲しいところである。