
ゲーム人材の大学養成
最近複数の大学で、コンピュータゲームのクリエイター養成にのり出している。ゲームの国内市場規模は2兆円を超えており、プログラマーだけでなく、映像や音楽の専門家、海外展開ができるプロデューサーといった多様な人材が必要とされているとしている。職業としての人気もあり、学生を獲得できる専攻として大きく期待されているのが現状だ。
東京学芸大学は、今年7月映像研究科に新しい修士課程「ゲームインタラクティブアート専攻 入学定員20名」を2026年に開設すると発表した。ゲームの映像や音楽表現、プログラミングなどのデジタル技術を研究する。ゲームキャラクターに動きをつける作業を例に、デッサンと同様に骨格の構造を理解しなければならないと動きがおかしくなると大学教授は説明している。ゲームが高性能になるほど芸術性の素養が必要だとさらに強調。東京学芸大学の学長は、「日本のゲームを世界に発信していく今、本学ならではの視点で研究する意義は大きい」と訴えている。
現在、中国やお隣り韓国でもゲームに関する技術の進歩は目を見張るものがある。大規模なゲームは技術者だけでは作れない。背景音楽、効果音を生み出すクリエイターや精細なコンピュータグラフィックスを画くデザイナーなどを巻き込んだチームで作っていかなくてはならない。
今やゲームクリエイターは若者の人気職業になっている。ゲーム制作会社で作る「コンピュータエンターテイメント協会」が24年度全国の小学生から大学生3700人余りに対して実施したアンケート調査の結果では、なりたい職業の第1位に「ゲームクリエイター」となっている。大手予備校もそうだ。こういった状況に対して、学生の確保に向けて動き始めている。
これらのことから、ゲームクリエイターを志願する学生は、数学や英語といった学問の他に、比較文化論を筆頭に他分野の基礎知識といった幅広い教養が求められることは間違いないだろう。日本ならではの技術を見たいものである。