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デジタル教科書導入課題

今年3月、読売新聞が全国の在籍児童・生徒が多い500校を対照にデジタル教科書移行に対するアンケートを実施した。これは2024年をめどに国がデジタル教科書を本格的に導入する方針をかためているからだ。アンケートの結果、329校が回答をし「懸念がある」としたのは28%、「懸念がややある」としたのは58%で、これらを合わせると86%にも上った。

このようになった背景には、端末の故障や不具合といった物が大半を占めている。実際のある小学校の授業では、「電源が入らない」、「ネットにつながらない」といった不具合の訴えが児童から相次ぎ、再起動などその対応に10分も時間を費やす事となってしまったという。このようなことや紙媒体の従来の教科書と内容が同じであることから、同学校では1割程度の使用状況だという。また別の学校の教諭からは、通信速度が遅い、フリーズする、エラー表示がディスプレイにされる、また故障した場合の対応を考えることから非常に使いづらいものといった位置づけになってしまっていると言う。

学力向上への効果が明確になっていないままの導入は、やはり“?”という物が頭をよぎってしまう。東京のある小学校では、与えられた課題を何でもネットで検索してしまい、考えるということをしなくなっていると懸念している。これら端末の利用は、物事を調べるツールとしての利用はいいとして、思考力、考察力等を考えるとやはり導入後の利用方法やルールを慎重に行わなければならないことと、これらを使って授業を行う先生方の指導方法を精査しなければならない事は言うまでもないと思える状態だ。

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