学力テスト、中学理科正答率50%を切る!
7月28日、文部科学省は4月に行われた『全国学力テスト』の結果を公表した。都道府県別にみると、例年通り秋田、福井、石川の各県が上位を占め、沖縄、大阪の順位が低かった。
4年ぶりのテスト実施となった理科は、新しい学習指導要領のもと出題されたが、中学校では正答率50%を切る“49.7%”と大幅に下がった。小学校6年生ではすべての教科で6割~6割5分の正答率に、また中学校でも国語は69%強、数学は52%と半数を何とか超えてはいた。
なぜ、中学理科だけがこんなにも正答率が低いのか、文部科学省では「観察や実験を重視する新学習指導要領のもとで、コロナによる臨時休校や密を避けるための実験中止」が響き、「探究」の問題に対応できなかったと分析している。
以上のように理科の正答率急落は、予測を立てて観察や実験を行い、分析・考察する問題で点数が取れていないと結論づけた。
実際コロナ禍の世の中になって確かに登校日が減ることによる物理的な授業の減少、さらに密を避けるために実験の中止は、生徒から多く耳にした。そのような中でも学校毎に感染対策を実施、強化しながら授業を行ったが、青森県の担当教諭は、どうしても限界がある。教える順番を入れ替えるなどしたが、じきじきで観察しなければならないものは、映像授業にして対応をしたという。しかしどんな対応をしても、いわゆる“生”の実験観察に勝る物はないという。東京都区立中学校の主任教諭のはなしによると、映像授業だと、生徒はどうしてもわかったふりをして、試行錯誤、いわゆる「考える」ということをしなくなるという。これは国語の試験の中で問われた、考えを書く問題で正答率が伸び悩んでいるとところに直結していると思われる。
いずれにせよ、コロナ感染が落ちつき、以前の授業形態に戻ることを願うばかりである。