学習費過去最高を更新
文部科学省は、27,257人の公私立幼稚園から高校に通う保護者の回答を経て、学習費が過去最高の金額を更新したことを発表した。2年毎にこの調査は行われ、前回の2020年はコロナで中止となったため、2018年との比較となる。
学習費は、授業料はもちろん、入学金や学習塾費用をも入っているが、修学旅行や研修旅行、また制服代や部活動に関わる道具や楽器、ユニフォーム代といった費用や遠征費等は入っていない。
まず、幼稚園の3年間から高校卒業までの15年間、全て公立学校に通った場合と私立学校に通った場合を比較してみた。前者の公立学校に全て通った場合は総額574万円に対して後者の私立学校に全て通った場合は3倍強の1,838万円になった。いずれも前述したように過去最高となり、特に私立小学校では40万7,000円の増額となっている。ちなみに公立小学校では18万5,000円の増額であった。
では、ここで内訳を見てみる。
15年間
公立学校 幼稚園 小学校 中学校 高校 総額
47万円 211万円 162万円 154万円 574万円
私立学校 92万円 1,000万円 430万円 316万円 1,838万円
こうなった背景として文部科学省は、消費増税による授業料や学習塾費が高騰した背景は否めないとしている。
そしてここで大学に通う4年間の私立大学と国公立大学の学費を加えてみる。朝日テレビ系列の資料によるものではあるが、文系と理系、理系においては物理や化学、工学系と数学系ではやはり大きな差があることから、あくまでも平均という前提となる。国公立では平均394万円、私立大学では平均681万円となった。これは自宅から通った場合で、自宅外、つまりアパートや学生寮に入った場合はそれぞれ284万円から294万円が加算される計算となった。ここで上記の15年間の費用と合算してみる。
19年間
公立学校 15年間公立学校 国公立大学 総額
574万円 394万円 968万円
私立学校 15年間私立学校 私立大学 総額
1,838万円 681万円 2,519万円
以上の結果をどう見るかは各ご家庭で色々と判断が分かれるところではあると思う。
最近はICT環境が整いつつあることから、上記費用に入っていない端末の費用モ考えなければならない。19年間という長い学習期間の中で、端末は1台、2台ではないはずである。また端末費用だけでなく、その保証費やセキュリティー費といったものもICT総額として考えなければならないであろう。
私立学校の募集要項には、授業料や維持費、入学金のことは記載しているが、海外に赴く修学旅行や研修旅行の積立金は明記されていなかったり、生徒会費やPTA会費といった雑費が計上されていなかったり、また徒歩でなければ通学定期代をも費用として計上しなければならないのである。
このような学費がかかることを考えると、これが少子化につながっていることは否めないであろう。1人の子どもに充分な費用をかけ、学習環境を整えてあげる。当然2人、3人と子どもの人数が増えてしまえば1人にかけられる学費は減額傾向となってしまう。
このような状況の中で生活をしていくことは、なかなか大変であり、どのように生活していくかは考えなければならないのであろう。