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大学破綻から学生を保護

早稲田個別ホームページ「お知らせ」の中で、昨年9月に大学の経営破綻をテーマに私なりの意見を述べさせてもらった。そのような中、文部科学省は、私立大学を運営する学校法人が経営破綻し、大学が突然閉鎖される事態に備えて学生が支障なく就学ができるルール作りに着手したと発表した。少子化で入学者数が学生定員を大幅に下回る「定員割れ」が深刻化しており、今後経営が深刻化する学校法人が相次ぐことが予想されるからである。

大学が閉鎖された場合、他大学がその学生を受け入れる対応が予想されるが、現行の制度では学生数が定員を超過した場合、国からの補助金が減額されてしまうようになっている。上記したルール作りでは、このように経営破綻しての学生受け入れによる定員超過の場合は、この減額する制度から除外するものとなりそうである。

この他、破綻した大学と同じ学部分野を持つ大学が近隣にない場合、学生がオンライン教育を活用して遠方の大学の授業、講義を受けられるようにするといった方策も視野に入れている。

さらに大学閉鎖を見据え、学生の募集を停止する大学に対しては、教職員の配置人数においても考慮していく予定である。在学生徒の人数に対して教職員の必要な人数が法令で定められているが、やはりこのルールにも例外を設ける予定である。

文部科学省によると、2022年の18歳人口は、112万人で、1992年の205万人から約4割減少したとしている。このようなことから、大学の募集定員割れも顕著に表れ、2022年5月現在、私立大学598校のうち、半数近くの284校が定員を満たしてはいない。しかもこのうち13校は定員の5割、半分にも至ってはいないのである。

2013年に創造学園大が廃止、今年2023年には恵泉女学園大、神戸海星女子学院大が揃って2024年度からの学生募集を停止している。このようなことから、間違いなく大学の経営難が表面化している事は言うまでもない。今後生き残って行くにはどうしたら良いのか、大学の経営手腕が問われるところである。このような状況においても高い倍率を維持し、良い学生を確保していける大学と、定員を大きく割ってしまう大学の2極化は避けられないであろう。

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