学校選びのポイント ―進学先は進学校か、大学附属校か―
前回は、別学校にするか、共学校にするか、というテーマで私なりの意見見解を述べたが、今回は大学がない進学校にするか、それとも大学の付属校にするか、というテーマに絞って私の考えを述べていきたい。
―進学校―
ここ最近は、大学に進学する生徒の割合が高く、ほとんどの生徒はと言っても過言ではない。
これを受けて各学校では、「特進コース」や「医療特進」、「選抜クラス」また「グローバルクラス」といった名の元、優秀な生徒を集客している実態がある。これらの名称は、元は高校入試でよく見られたのだが、ここ最近は各中学校で見ることができる。これらのように「総合コース」や「スタンダード」コースといった一般のコースと差別化しているのが現状だ。
多様なコースを設けている学校では、どのコースを受けるかによって合格の可能性が変わってくるので、注意が必要だ。また上位コースを受けても、そのコースには合格できないが、下位のコースなら合格です。といったスライド合格というのも知っておきたい。
いずれにせよ、大学が併設されていないのだから、全員が受験することとなる。推薦試験でない限り、昔のAO入試、適正試験、今の総合入試といったアドバンス的な試験の他、一般入試でその実力を試していかなければならない。そのためにも各学校の先生は一生懸命な受験指導をしているように思える。
―附属校―
附属校のイメージを描いた時に圧倒的に多いのは、大学までいわゆるエスカレーター式で進学できると思っている保護者がとても多いことである。また受験勉強をしなくて済むので思いっきり部活動に打ち込める、と言ったことや在学中に大学の授業を受けることができ、それがそのまま大学進学時に単位として認められるといった特典を期待する保護者も少なくはない。
今から40年前の1984年では、4年生大学の数は460校であったが、2024年には798校と膨れ上がっている。このような事から全体の4割ほどの大学では定員割れをしており、今後の存続が危ぶまれる。このような事から、一部の大学では、ある高校を附属校や系列校、また傘下において生徒を確保するといった動きが目立っている。港南中央教室近隣では、横浜英和が青山学院の、横浜山手女子が中央大学の、横浜富士見が東京理科大学の、といったパイプともいえる関係を築いている。
しかしここで間違ってはいけないことは、全員が内部進学といってこの大学に進学できる訳ではないこと、また進学できたとしても必ずしも自分の希望する学部や学科に進学できるという訳ではないことを理解しておかなければならない。
色々と述べてはきたが、やはり自分の子供の性格や特徴を学校の建学の精神や特色とよくすり合わせて、学校を選んでもらいたいものである。