理系重視の中学受験
1月10日、埼玉県さいたま市の栄東中学が先陣を切り、首都圏の中学入試がスタートした。20日には千葉県がスタートし、そして東京都と神奈川県の240校も2月1日から行われている。今年の受験者は昨年の52,600人にわずかに及ばず52,000人となるが、2008年のリーマンショックから受験者数は増加する一方である。
では何故、中学受験者数はこのように伸びているのであろうか。小学校6年生の卒業人数は年々減っている。しかし反比例のように受験者数が延びていることから、受験率は確実に上がっていることが言える。このような状況になっているのは、以下の4つのことが考えられる。
1つ目は、新型コロナによってオンライン授業の確立が公立中学、高校よりも早く対応した実績があること。2つ目は、大学入試が知識偏差値型から思考力や表現力に対応する能力を重視したことにより、これに対して中高一貫校では6年間かけて育むことができること、3つ目は、留学や海外大学を目指す生徒が多くなり、グローバル教育やレベルの高い英語教育を私立中学に求めたこと、最後の4つ目は、理系進学者が5年前と比べ2.6倍になり、このような需要に対して芝浦工業大学や東京農業大学、北里大学といった理系大学と提携、連携協定を結んだ学校人気が高まったことがあげられる。
ここ数年は、私立中学人気は続くと見ており、首都圏での受験者数は50,000人強の人数を推移していくと考えられる。
私立中学は生き残りをかけて色々と特色を打ち出している。国際化、情報科といったことを筆頭に、語学留学や研修、海外修学旅行といったことの有無も無視はできない。今後各中学校での建学の精神や教育方針、また教育においてのビジョンが生徒獲得の大きなポイントとなるであろう。