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模擬試験の活用術

夏休みが明ける9月から、模擬試験が本格的に始まる。ところで模擬試験を受ける意味は、大きく2つある。1つは、受験する学校の合格可能性をさぐること、そしてもう1つは、学習してきた内容の定着度を見ることである。今回はこの2つのうち、後者にクローズアップをしてみたいと思う。それは受験後に返却される結果により、必ず「何点だったか」、「偏差値はいくつであったか」、と言うところに固執してしまうからである。そしてそれによって志望している学校の合格率はどうであるのか、といったところにだけどうしても注目してしまうからである。さらにその結果によって、「志望校を下げた方がいいのではないか」、「もう少し欲張れるのではないだろうか」、と親子でてんやわんやとなりがちとなってしまう。この状況は、親の言動に子供が巻き込まれ、不安をあおることになったり、動揺をおこさせたり、と子供にはあまりいいことはない。これらは11月、いや12月でも決して遅すぎることはなく、それまでに模擬試験からどの教科が得点できないのか、どの単元が理解できていないのか、どんな問題(出題形式)に弱いのか、といった事を分析して、克服するにはどうしたらよいのか、というステップアップの材料にするのが本来の目的なのである。

次に模擬試験を受けると志望校の合格可能性が示される。このため結果が悪ければ悪いほど早く受験校の過去問題に手を付けがちになるが、この状態では効率は決して良くはない。過去問題を解く意味は、「出題傾向(形態)を知ること」、「問題量を知ること」、「出題レベルを知ること」、といった3つの要素があるが、このままの状態では正解の数が少なく、場合によっては解いたことにより自信喪失につながってしまう恐れもある。このようなことから、ある程度の力を付けてから望むのがよいだろう。

最後に前述されている偏差値についてであるが、実は模擬試験によって偏差値は違うということを押さえておきたい。日能研、四谷大塚、サピックス、首都圏模試。模擬試験を受ける生徒の人数や実力が違うのだから、冷静に考えれば当たり前である。注目すべきは、その差が5ポイント以上違う学校も数多くあるので、注意しておきたいところである。さらにこの偏差値は、毎年違っているケースが多い。最近多くの学校で生徒の募集が思うようにいっていないことから、コース制を設けたり特待生制度を導入したり、また大学の傘下や系列校になることで偏差値が大きくアップすることがある。塾に通っていればその塾の説明会や「○○通信」といった媒体で知ることは容易であるが、通っていないのであれば、各学校のホームペ―ジに注意しなければならないであろう。

以上のように、模擬試験の偏差値を上手に活用して、志望校の合格を勝ち取ってもらいたい。

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