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出生率過去最低 7年連続減少

6月2日、厚生労働省は2022年度の日本人の人口統計を発表した。一人の女性が生涯に産む子供の推計人数を示す「合計特殊出生率」は7年連続で減少し、過去最少の1.26人となった。新型コロナウィルスによる感染拡大が婚姻数を減らしたことは間違いないとみられている。そして日本は婚姻がそのまま出生に直結する傾向が強いことが、他のG7の国々と比較して言える。

都道府県別に出生率を見てみると、東京都は1.04人で最も低く、宮城県の1.09人、北海道の1.12人と続いた。一方、最も高かったのは沖縄県で1.70人、続いて宮崎県の1.63人、鳥取県の1.60人となった。ちなみに神奈川県は1.17人で前年比マイナス0.05ポイントとなり、北海道に続き埼玉県と同率ワースト4位となった。

婚姻数の減少については前述したとおり、コロナの影響はぬぐえない。しかしそれだけだろうかと考えた時、当然色々な要因が浮き上がって来る。何と言っても経済の低成長がこれの筆頭であろう。物価は上がるが給与は上がらない現実がある。しかも最近は野菜や肉、魚といった食品だけではなく電気やガソリンといった基本生活にかかせないもの全てが値上がりしている。教育費もこれに漏れない。以前、ホームページのお知らせの中で、私学と公立学校の進学別費用について述べたが、大学も含め全て公立学校へ進学したとしても574万円もかかる現状がある。これは学費のみで、通学定期代や下宿や寮に入った場合の費用、食費、ピアノやダンスといった習い事や塾費用は一切入っていない。

このようなことを考えると、政府の支援が一つの大きなカギとなってくるだろう。政府は「こども未来戦略方針」と掲げ、児童手当の拡充を重点政策としているおり、給付金の対象を中学生までから高校生までと拡大する。さらに所得制限を撤廃するとしている。その他税負担を軽減する案も出ているが、「次元が異なる対象」とは言えるかどうか、という声も政府与党内からは上がっていると聞く。

いずれにせよ、保育園の待機児童問題など、子育てにおいて不安がある以上、結婚しても子供をもうけない家庭が少なくないことが考えられる。その良い例がお隣の韓国であろう。

住みやすい日本、安心できる日本を目指し、安心して子供が産める社会を切に願うばかりである。

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