かいけつゾロリの「ビブリオバトル」
7月25日、東京都江東区の有明ガーデンで、小学生によるビブリオバトルが行われた。「ビブリオバトル」とは好きな本の魅力を5分間という時間でアピールスピーチをするものである。今回は、題材が誰もが一度は読んだことがある「かいけつゾロリ」に絞られたこと、対象も小学生ということもかんがみ、通常は5分間のところ3分間という時間で行われた。
題材になった「かいけつゾロリ」は、1987年から原ゆたかさんが執筆している児童書である。世代を超えて多くの人に読まれているもので、先月7月には73巻に達した「かいけつゾロリ いきなり王様になる?」が発表された。
今回ビブリオバトルが行われた有明ガーデンには、原ゆたかさんも駆けつけ、トークショウも行われた。その中で「いつもページをめくる楽しさや、1冊を読み終えた後の手応えを感じて欲しいと思って書いている」と語った。また秘話として、第1巻は映画「インディージョーンズ」をヒントにして書いたことや、第15巻の「かいけつゾロリつかまる」では、脱走の話なので本当に子供が真似をしてしまうと困る、と思いつつも書いた、といった話で会場は大いに盛り上がった。
ビブリオバトルの決戦は、各地域から集まった4人で行われた。発表した小学生たちは、ビブリオバトルはちょっとハードルを感じるが、事前にワークショップで発表内容のまとめ方やポイントを入賞経験がある大学生の方たちにアドバイスしていただいたので、大丈夫だったと話した。「この本で一番好きなところ」や「何でその場面が好きなのか」、といったところの論点を、一つひとつ押さえていきながら3分間の内容に頑張ってまとめたと言う。
また大会とは別に、先述したように原作者原ゆたかさんのトークショウの他、低学年向けの「かいけつゾロリを楽しもう」と題し、歌やパントマイムを織り交ぜた賑やかな芸が披露されたり、音楽に合わせゾロリのキャラクターの仕草をまねする「ポージング」が行われたり、と参加者全員が元気よく体を動かした。
一つの児童書をもとに、参加者全員の気持ち一つになり、共感を覚え、さらに飛躍していく姿が思い描かれた。