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2024年度 全国学力テスト結果発表

文部科学省は7月29日、今年4月に実施した2024年度の「全国学力テスト」の結果を公表した。「全国学力テスト」は名前の通り全国の国公立・私立に通う小学校6年生と中学3年生が毎年受検の対象となっているものである。

2024年度は、約190万人が算数・数学、国語の2教科を受験した。今回のテストの結果において特筆すべきは、中学校の「国語」の平均正答率が、前年度より11.7%も低い58.4%に留まったことである。19年度に現行の出題形式に切り替わって以降、最低の数値となった。中でも「読む」技能を測る問題で正答率が低く、必要な情報を読み取る力に大きな課題が見られた。また問題形式別でみると、記述式の問題の正答率が半分以下の46.1%で、無回答、いわゆる白紙が14.8%にものぼった。

この結果を受けて文部科学省は、年度によって多少の難度の違いはあるものの、「子どもたちには多様な文章に触れさせることが必要だ」と説いた。

今回の出題状況を見てみると、思考力や表現力を問う問題が目立った。これは学習指導要領が掲げる『自ら課題を見つけ、解決する力』が身についているかを確かめるためかと思われる。特に中学校では記述問題での無答、いわゆる白紙が多いことから、今後国語の授業のみならず、全てにおいて事実が記されている部分、筆者・作者の感想が述べられている部分といったように区別する練習を重ねなければならない。そして、それを踏まえて解答を書くことが求められると判断できる。これらに力を入れて学習を進めていかないと、おそらく目的に応じて自分の表現を工夫することが苦手になってしまうだろう。

中学生においては、(2)の「箱ひげ図」が描かれた問題に注目したい。生徒の多くは、この箱ひげ図の読み取りはできたものの、これから実験の様子を掴む、イメージをすることができず、記述式解答を敬遠、つまり白紙で答案を提出したことである。表現力はすぐに身に付くものではないので、日々の学習においてじっくりと考察する時間を設け学習を進める必要がある。部活や他の習い事で忙しいのは理解できるが、これらを理由に考察することを後回しにしてしまうと、かなり厳しい結果となってしまうことを忘れてはならない。

全国で見ると神奈川県は算数・数学は10位以内の上位に食い込んではいるが、小学生の国語においては23位とほぼ中間順位となる。受験競争が激しい首都圏にあることを考えると、今後一層の努力を望むことは言うまでもない。

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