英語授業 わずか3%
小中学校で英語を教える教員のうち、授業で紙ベースの教材を一切使わずデジタル教科書のみ使用して授業を行う教員は、わずか3%にと留まっていることが財務省の調査でわかった。残り97%のうち88%の教員が紙との併用を行っている現状も判明した。
デジタル教科書とは、小中学校で一人一台の学習用端末で、紙の教科書と同じ内容をデジタル化したもので、児童・生徒はこれを各々見ることができる。2024年度では、小学校5年生から中学校3年生までの英語と、一部の算数・数学でデジタル教科書が提供されている。
このような中、文部科学省はデジタル教材の活用拡大を検討しているものの、多くの教員が紙の教科書を支持していることが浮かび上がった。
財務省の調査によると、教員が英語の授業で使っている教科書において、併用している88%のうち、「どちらかと言うと紙の方が多く使用している」と答えた教員は53%にも上っている。この数値に「紙のみを使っている」という割合8%をプラスすると、半数の60%を優に超え、デジタル化が進んでいないことが示される。
このように何故デジタル教科書の活用が進まないのか、改めて考えてみる。一つは、紙の教科書とデジタル教科書の内容が全く同じで、デジタルの差別化、優位性が見いだせない所にあると思われる。そしてもう一つは、デジタルを使う際の様々な支障が生じるところであると推測できる。小学生においては、ディスプレイが動かない、音声が聞こえない、こういったトラブルに一人の教員が対応するには当然限界があるからである。
このようなことから、デジタル教科書ならではの長所を活かした物を作っていくことを最優先に改善する必要があると思うところである。