学校選びのポイント ―進学先は別学か、共学か―
夏休みも終わり、夏期講習の成果が気になる中学3年生、小学6年生の受験生。
学校選びに真剣に向き合う時期になってきた。ポイントは、進学校にするのか、それとも大学付属校にするのか。また宗教系にするのか、それとも無宗教にするのか。そして、今回記すのは、別学にするのか、共学校にするのか、ということをテーマにしてみた。
早速以下のように私なりの意見を述べたいと思う。
-男子校-
一昔、いや二昔前の男子校と言えば、硬派なイメージであったり自由奔放であったり、またスポーツが盛んで体力があって、という感じであった。確かに耐久歩行といった体を鍛える伝統行事がある早稲田や巣鴨、攻玉社といった男子校ならではの特色を前面に押し出している学校はある。しかし現在こういった学校は数ある男子校の中でもほんの一部で、ほとんどはソフトなイメージになっているのが現状である。
そもそも何故男子校を選ぶのか。最近では、多くの保護者が学習指導力と大学進学実績の二つを重視しているようだ。また、中学1、2年の12歳から14歳では、女の子の精神年齢が高く、女の子が主導権を握ってしまいがちであることを嫌って、というケースも少なくはないようである。
―女子校―
女子校は2つに大きく分かれる。一つは「女子ならではの教育理念を前面に押し出す」で、もう一つは「大学進学に向けての指導を前面に押し出す」である。前者では、女子だからこそ、礼法や作法の授業を設けたり、筝曲や茶道、華道の授業をカリキュラムに取り組んだりといった特色を打ち出している。後者では週当たりの英語の授業が多いことがあげられる。男子校や一部の共学校では大学受験のための英語がメインとなるが、女子校では実用英語の時間が通常の英語授業の他に設けられている。また「リケジョ」(理系女子)と言われた言葉が生まれたように、理科の授業が多いことも目を引く。このようなことから、女子校では理科実験室が4つも5つもある学校も少なくはない。
そもそも何故女子校を選ぶのか。それは「何でも女子がやる」という点にある。生徒会長もクラス委員長、部活動の部長も、トップは当然ながらすべて女子なのである。文化祭や体育祭り企画・運営においても人任せにはしない。学校や先生との交渉、願いでもすべて自分たちで行う。リーダーとしての経験、そして何事にも挑戦する、できるといったことに価値を見出しているからであると言える。
―共学校―
共学校といっても学校によってさまざまな形態があるので、ここは注意しなければならない。男女別に定員を設けている学校、市川中や慶応中等部、法政第二といった学校では男子校の定員が女子に比べて圧倒的に多いことがあげられる。また共学校といっても校舎が別、だから当然授業も別という学校もあり、一部では共学校ではなく「併学校」といっている学校もある。首都圏では桐光学園や国学院久我山などがそうである。
そもそも何故共学校を選ぶのか。多くの保護者は幼稚園や保育園、小学校で男女共学なのだから、別学は不自然な気がする。成人すれば、男女が入り混じる社会なのだから、中学校や高校で別学は…、と首をかしげる保護者も多い。
首都圏には300校以上の私立学校がある。別学校にしろ共学校にしろ、我が子に合った学校を親が導いてあげることが大切であることは間違いない。
本人の希望も交えて、通学時間や手段、部活動の種類、制服や海外語学研修や修学旅行の有無なども含めて、家族の間でじっくり話し合う必要があることは否めないであろう。