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紙・デジタル教科書 最終まとめ

昨年12月1日、次に今年2月28日の2回にわたってのお知らせで、デジタル教科書について私の意見や考えを述べた。そして今年の秋にデジタル教科書のあり方をまとめることで、教育現場での紙とデジタルの関係を改める動きが加速している。

紙とデジタルを教育現場でどのように活用すべきか。今まで紙の教科書を中心に国際的にトップレベルを維持してきた日本の教育が、今まさに大きな変化に直面している。文部科学省の教育議会が奔走している中、各教育現場は混沌としている。

まず、紙とデジタルの利点不利点の現状を整理したい。

紙の教科書は学校に使用義務がある。国の検定での内容の正確性や質を担保している。またいつでもどこでも使用することができる。

これに対してデジタルは、紙の教科書と同じ内容としていることから、あくまでも代替する教材の位置付けとなっている。使用にはインターネットの環境が必要。また生徒は指示内容以外の閲覧が懸念。以上このような点が上げられる。これらを踏まえると争点は次のようになる。

・デジタルを正式な教科書として検定・無償配布の対象にするかどうか。

・紙とデジタルのどちらかの使用を選べるようにするのか。

・紙とデジタルの両方を使う、いわゆる“ハイブリット”を認めるのかどうか。

と、こんなことになるだろう。

私は紙の教科書がどうしても捨てがたい。紙の教科書の見開いたページにはたくさんの情報が掲載されている。それらをしっかりと理解することができ、そしてその一覧から必要な情報なりを精査して選択する力が養われる。そしてその情報を精査した根拠を考察する力にもつながることが期待できるからだ。

ここで教育先進国の一つとされているフィンランドを見てみよう。読解力、数学、科学の3分野では9位から20位と苦戦している。一方日本では、この3分野の順位が2位から5位とトップクラスに位置している。

紙とデジタルを同じ土俵で比較することができるか、という問題点もあるとは思うが、このような結果一つをとってみても、デジタル教科書の場合、拾い読みや流し読みをしやすくさせ、いわゆる「浅い読み」になってしまうことが充分考えられる。

国内外の研究や動向をしっかり検討してもらい政策判断をしてもらいたいものである。

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