
投票率が高い、新聞を読む18歳高校生
7月の参議院選挙で、新聞を読んだ18歳の投票率が18歳全体の投票率を30ポイントも上回ったことが、日本新聞販売協会の高校生アンケート調査でわかった。
日本新聞販売協会は7月1日から希望した31都道府県の202校に新聞を無料で配る「新聞を読んで選挙に行こう」キャンペーンを実施した。投票開票日翌日の7月21日から8月8日にかけて全202校の3年生を対象にアンケートを行い、選挙権がある18歳以上の生徒1560人からの回答を分析した。
その結果、今年の参議院選挙で「投票した」と回答した生徒は1158人で、74.23%にのぼった。日本新聞販売協会によると、総務省の抽出調査では18歳の全体投票率は45.78%で、キャンペーンに参加した18歳の投票率は28.45ポイント上回った。この数値は有権者全体が58.58%であることから、投票割合と比べても上回っていることが容易に分かる。
日本新聞販売協会はさらに、投票に行った1156人全員が「新聞が参考になった」と答えたことを明らかにした。新聞がきっかけで投票に行った生徒もいるとみられ、SNSやインターネットで誤った情報が流れる中、正しい情報を得る手段として新聞が活用されたと判断できる。
このキャンペーンを機に、学校の図書館などを活用して継続して新聞に触れる機械を増やし、視野を広げてもらいたいものである。
2016年に選挙権年齢が18歳に引き下げられ、今回の参議院選挙は高校生も投票できるようになって10年目という節目の年であった。最初の16年選挙は46.78%であったが、それ以降は30から40%台前半の割合に留まり、全体投票率が54.70%という値からかなり少ない数値になっていることは言うまでもない。
このような現状から、日本新聞販売協会はキャンペーンを実施した経緯もあると推測できるが、そもそも新聞を定期購読する家庭が少ないことを残念に思う。確かにスマートホンやネットにおいて、ニュースをいつでも視聴することはできるが、やはりこれらの媒体では、誤情報が蔓延してと言っても過言ではないだろう。熊本地震では、動物園からライオンが脱走し、町中にいるライオンの写真を合成してアップされたことは記憶にもはっきりとうる人は多いことだろう。
これを機に、新聞の価値をもう一度見直し、若者だけでなく積極的に読んでもらいたいものである。