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成績改ざん、校長が指示

成績は生徒の学習に対する大切な評価である。生徒によっては部活との両立に悩まされたり、行きたいとは思わない塾に通って学校以外の場所で指導を受けたり、と色々な苦労の末勝ち取ったものである。そのような中、成績が改ざんされた。生徒の努力はどうなってしまうのだろう。しかもその改ざんをしたのは、校長だったと言うことにさらにショックを受けるのは私だけではないだろう。

事件は今年7月に、三重県伊賀市の市立中学校でおこった。2年生の各担任は7月9日音楽の担当教諭から対象生徒140人分余りの成績を受け取った。しかし一部の生徒の成績について筆記試験の結果と成績に整合性がなく、生徒や保護者になぜこのような成績なのか、評価なのか、説明しにくいと校長に相談したのが全ての始まりである。そしてこの問題は、相談を受けた校長が音楽の担当教諭に評価の事由を聞いたり相談したりしないまま、担任らに成績の書き換えを指示したということである。

校長は今月19日、保護者説明会において、「子どもたちの尊厳を傷つける行為で本当に申し訳ない」と謝罪した。これに対して伊賀市市長の稲森氏は22日、「成績の改ざんは言語道断で、学校の教育の信頼を失墜させる許されない行為だ」とコメントをした。

この件に関してではないが、「だから中学校に限らず学校の成績は当てにならない」としている保護者は少なくない。学校の成績は、その教科の実力を測る定期テストの他に、ノートの出来不出来、学習に対しての意欲、態度といったことが加味されている。しかしこれらは教科担当教諭の主観による評価で、的確な基準となる物差しはない。実際、神奈川県公立高校の入学試験は、その昔前期試験と後期試験の2つに別れていた。その後期試験は実力を問う筆記試験により合否が決められていたが、前期試験は学校の成績で合否が決められていた。しかし、高校現場の先生からは、成績と実力が合っていない、あまりにも乖離している、という意見が多く出た。その結果、現行の実力で測る後期試験だけとなった経緯がある。

このような成績に対して疑問を持つ保護者生徒も多いかと思うが、このような事件があると、疑問を持つな、持たないように、とはなかなか言えないのが現実だろう。非常に残念な事件である。

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